Intelligent Technology's Technical Blog

株式会社インテリジェントテクノロジーの技術情報ブログです。

チャットボット開発で意識するべき 11 のこと

こんにちは。中山です。

これからは チャットボット(Chatbot)の時代だ、と言わんばかりに、最近いろいろとニュースを目にするようになりました。

www.newsweekjapan.jp

jp.techcrunch.com

しかし、いざ、その Chatbot を開発するとなった場合に、開発者はどのあたりに注意すればよいのか、どのような点を意識すればよいのか、という疑問が出てきます。
この疑問に対する、ひとつのガイドラインになるかもしれない、以下のような記事がありました。

venturebeat.com

今回はこの記事を一緒に見ながら、Chatbot 開発で留意すべきポイントを確認していきたいと思います。


紹介したこちらの記事では、
11 rules to follow when building a chatbot
という形で、Chatbot を開発する上で従うべき 11 の事柄を紹介しています。
以下、それらをひとつずつ見ていきたいと思います。

1.日々の生活を楽にしてくれる存在であること(Make life easier)

とにかく、タスク管理でもディナーの予約でも、めんどくさいことは Chatbot まかせておけば OK、という存在であるべき、ということです。
ユーザが、「なんか、難しいことはわかんないけど、あれやっといて」と指示を出すと、Chatbot がうまいことやっておいてくれる、そんな形が理想的だ、ということですね。

2.ボット自身が、自分のことを紹介できること(Have the bot introduce itself)

Chatbot 自身が、自分は何ができるのか、どのような機能を持っているのか、を説明できなければなりません。
はじめて利用するユーザにも、スムーズに受け入れてもらえるよう、ガイドとなる機能を用意しておくべき、ということですね。

3.ユーザをずっとサポートし続けること(Provide continuous support)

ヘルプドキュメントやマニュアルには、Chatbot 自体から簡単にアクセスできるようにしておくべきです。
また、「設定」や「スタート」「ストップ」「やりなおし」などなど、ユーザが「この機能はたいてい備わっているだろう」と思うような機能は、Chatbot も、やはりそれらの指示に応答できるようにしておくべきです。
とにかく、ユーザをほったらかしにしない、ということですね。

4.常に一歩先の提案ができるように(Always suggest the next step)

例えばユーザが

ディナーの席を予約しておいてくれないかな。

と Chatbot に指示を出すと、

わかりました。お席を予約しました。

と返すだけではなく、

わかりました。お席を予約しました。ご一緒に Uber もご予約しておきましょうか。

のように、ユーザの行動を見越して、一歩先の「便利」を提案できるようにすべき、とのことです。

5.最初はシンプルに、でも追加の機能にもすぐにアクセスできるように(Start simple, but quickly add power features)

最初のうちはシンプルな機能のみ提供して、初めてのユーザにもとっつきやすいようにします。
しかし、ある程度「慣れた」ユーザに対しては、どんどん追加の便利な機能も提供していくとよいでしょう。
追加機能についての小さなヒントを、さりげなく提供していくと、なおよいのでしょうね。

6.メッセージは簡潔に(Accept that interactions will be short, and that is OK)

Chatbot の利用は、やはりスマートフォンなどの、比較的小さな画面からの利用が多くなるでしょう。
表示するメッセージはできるだけ簡潔に。
詳しい説明も必要かもしれませんが、あまり長い文章は、人間も読むのが大変です。

7.テキスト入力と従来の GUI のいいとこどりで(Craft a hybrid experience)

Chatbot だからといって、テキスト入力しかしてはいけない、ということはありません。
従来のボタンやドロップダウンボックスなどの GUI のほうが、直感的に操作できることもあります。
両方のいいとこどりで、ユーザインタフェースを設計するのがよいでしょう。

8.Chatbot との会話をシンプルに(Make interactions simple)

ユーザからの問い合わせをなんでもかんでも受け入れる、というのもいいかもしれませんが、場合によっては収集がつかなくなったり、想定内の受け答えが難しくなったり、ということも考えられます。
Chatbot が対応できる範囲をある程度限定したうえで、ユーザを、うまく誘導していく、ということも必要になってくるのかもしれません。

9.個性を持たせる(Use personality to make the experience more pleasant)

ユーザにより快適に使ってもらうために、Chatbot に個性を持たせる、というのは、実は重要な要素のようです。
サービスに応じて、発生のトーンを使い分けたり(法律相談であれば、頼りがいのある、専門家のような声で、ショッピングサイトであれば、もっと親しみやすいような感じで)、またときにはユーモアを交えたり、ということもできるでしょう。

10.まずは特定の機能に特化した Chatbot から(Start off with a focused chatbot)

実際のところ、現時点で、なんでもかんでも対応できる Chatbot が作れるわけではありません。
とにかくまずは、ある特定の機能に特化したものを作って、そこから広げていくのがよいでしょう。

11.常に返事を返すこと(Reply, always)

Chatbot が、ユーザの指示を理解できなかったとしても、Chatbot は黙り込んでしまうのではなく、たとえば「あなたのおっしゃったことがわかりませんでした。」ということだけでも、回答として返すべきでしょう。場合によっては、ユーモアを交えて回答を返すのもよいかもしれません。
・・・確かに、Chatbot に無視されてしまっては、寂しいものがありそうですからね。

まとめ

実際のところ、人間にとっていちばん自然な、やりやすいコミュニケーションの手段は会話であり、この会話(または会話文)をインタフェースとする Chatbot が登場する、というのはごく自然な流れであるようにも思いました。
従来の GUI がすべて、Chatbot に置き換わる、ということではないと思いますが、今後、ユーザインタフェースとしては重要な位置づけになってくるのだろうと思わされました。