こんにちは。中山です。
先日、WIRED.jp に以下のような記事がありました。
この記事で紹介されているアプリUI(ユーザインタフェース)のコンセプトでは、二本指、三本指、ドラッグの方向など、「画面へのタッチの仕方」を変えることで、「画面を見ることなく」、さまざまな機能を呼び出すことができるようになっています。
・・・
クレンのコンセプトにおいて、タッチスクリーンの画面は、メニューやボタンで区分けされていない。どこにでもタッチしてよい。すなわち、各種の制御は、タッチの仕方によって行うのだ。2本の指で上方向にドラッグすると、音量を上げられる。 3本の指でドラッグすると、オーディオ・ソースの変更が可能だ。4本なら車内温度を、5本なら空気の流れを制御できる。
・・・
これ、なんで今まで思いつかなかったのだろう!と思ってしまいました。
私自身、毎日の通勤で、自動車を運転しています。
やはり運転中は、スマートフォンの画面を見ることができないので、アプリの操作は難しい、というか無理なのです。
しかしここで紹介されているUIだと、例えばナビなんかのアプリを、運転中であっても、画面を見ずに安全に操作することができるかもしれません。
このUIでひとつ難点を挙げるとするならば、「二本指は音量の調整」「三本指はオーディオ・ソースの変更」といったそれぞれの操作を、あらかじめ覚えておかなければならない、というところだと思います。
まだまだブラッシュアップの余地はあるのかもしれませんが、しかし、大変興味深いコンセプトだと思いました。
Siri はどうか?
自動車の運転中に、画面が見られないからアプリが操作できない、というのであれば、iOS の「Siri」のような音声認識の機能を使う、というのは、実際のところどうなのでしょう。
これも実は、大変実用的なレベルにまで来ていると感じています。簡単な操作であれば、「Siri」で十分まかなえるのです。
私も運転中はいつも、音楽の再生を iPhone の Siri にまかせています。
「自動車の運転中」というシチュエーションでは、Siri のような音声認識の UI や、上記の WIRED.jp で紹介されていたような「画面を見ずに操作できる UI」が、これからもどんどん発展して、よりいっそう役立つ UI になっていくのでしょう。
もう30年も前になる「ナイトライダー」のコンセプトは、決して間違ってなかったということですね。
Siri が役立たないシチュエーション
しかし私は、Siri のような音声認識の UI(それから「画面を見ずに操作できる UI」も)が役に立たないシチュエーションに遭遇しました。それは、
農作業中
です。
例えば私の場合、畑で農作業をしている最中に、「午後の天気は大丈夫かなぁ」と思って、天気予報のアプリを使おうとするケースがけっこうあります。
でも畑や田んぼだと、
そう、手袋をしていることが多いのです。
アプリを操作するために、いちいち手袋をはずして、スマートフォンをポケットから取り出して、また手袋をして、というのが、けっこう面倒に思えます。
「つけたたままでスマートフォンを操作できる手袋」というのも確かにあります。
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しかし、泥がついたままの手袋でスマートフォンを触るのも、なんか違うなーと思っています。
「え?こういう場合でも Siri 使えるんじゃないの?」と思われたかもしれません。
実は、農作業中は、けっこうまわりの騒音がひどいのです。
それは、コンバインやトラクターなどの農業用機械のエンジン音だったり、
※Wikipediaより
また草刈り機の作動音があったりで、けっこううるさく、Siri に正しく音声認識させるのは難しいことが多いです。
農作業用の UI とは
農作業中に、快適にアプリを操作するための UI については、私自身、これといった解決策を見つけられていません。
しかし、以前、当ブログでも紹介した「Leap Motion」のような、
画面に触れずに操作する UI
というのが、何かヒントになるような気がしています。
次世代操作デバイス「LeapMotion」を使ったWebアプリを作ってみました - Intelligent Technology's Technical Blog
この「Leap Motion」とか、Microsoftの「Kinect」とか、あんまり流行っているようには見えないですけれども、こういった技術は、実は「屋外」でこそ活きてくるのではないか!?と思いました。
・・・ということを書いていましたら、以下のような記事がありました。
「空中に手書きで文字入力する指輪型デバイス」、なかなかいい感じだと思うのですが、もう少しカッコイイのが出てくるようでしたら、私も田んぼで試したいなと思っています。
生活スタイルによって異なる UI のニーズ
ここまで「自動車運転中」「農作業中」のアプリ操作へのニーズというのを見てきました。
このようなニーズは、よく考えてみると、東京や大阪、横浜などの「都市部」、ではなく、どちらかというとそれ以外の「地方」、もっというと「田舎」での生活スタイルから、より出てきやすいものなのかもしれない、と思っています。
私の住んでいる四国の香川県は、言うほど「田舎」ではない、はずですが、それでも、東京、大阪などの「都市部」とは生活スタイルが異なります。
それは、自動車中心の生活であったり、また「農作業」が生活の中に普通に登場するスタイルであったり、というところに見られます。
※Wikipediaより
「都市」、「田舎」のそれぞれの生活スタイルの違いは、つまり、スマートフォンアプリの利用スタイルの違いにもつながってきます。
そして、スマートフォンアプリの利用スタイルが異なる、ということは、それぞれ必要とされるアプリのUI(ユーザインタフェース)もまた、違ってくるのではないか、と考えています。
スマートフォンのアプリって、おそらく一般的には、「都市」に生活する人々をメインのターゲットとして想定していると思います。それは、人口構成からするといちばんボリュームのあるところなので、ごく当たり前の選択です。
しかし、「都市」から離れた「田舎」では、「都市」での生活にはない、また別の、アプリやその操作へのニーズがあるはずです。
ちょっと視点を変えて、こういった「田舎暮らしのためのアプリUI」を考えてみると、これまでにない、新しいアプローチができるのかもしれません。
そのためには、私を含め「田舎」に住んでいる人が、もっといろいろと情報発信していくべきなのかもしれない、とも思いました。